ドリル水戸02フィードバック

1月に水戸で開催されたドリル水戸02。新体制での初回であり、また開催の翌日に茨城県で緊急事態宣言が発令される慌しい状況の中Atelier roots06を会場に開催されました。
開催から3週間程たち、落ち着いた視点から改めて振り返る参加作家たちにとってのドリル水戸02を共有します。


参加者/為我井 涼太


制約の強い中で開催出来たことはとても大きいと思う。そこに足を運んでくれる人がいることにも今まで以上にありがたさを感じる企画だった。

rootsというアトリエの存在もこの企画を通して来場者の方に知っていただけたことは今後大きな意味が生まれてくるのではないかと漠然とした期待もある。
なによりドリルとrootsとが繋がれた事が今回の大きな収穫である気がしている。
このような状況下でも外に出て展示をしてお客さんを呼べる企画に参加できたこと、その企画をする方々と繋がれていることがどれだけ嬉しいことなのかとてつもない感謝を感じる参加となった。


参加者/白丸たくト


・ルーツのメンバーを巻き込んでできたのが良かった。次回からはグループラインの方にも入ってもらって素早いやりとりができればなお良い。
・自分の場合は作品がある程度形になった段階でもアイディアをどんどん取り入れられるので、客観的な視点をフィードバックし、それについてまた一緒に考えていける場があるのはとても有難い。
・異なるジャンル、分野で活動してる作家を集めるという点では、もっとそれぞれの作家活動に沿った(尖った、偏った)見方や意見があってもよいのかもしれない。そういう意味でもいろんな人たちを巻き込んでいきたい。
・オルタナティブな活動は公営の施設よりも素早く柔軟に判断/行動ができるので、それをもっと活かした活動ができればなお良いかも。
・今後も続けていくのであれば、検温機はドリルで買ってもいいのかも?


参加者/サユリ ニシヤマ


・このご時世で、人と会って話すということがこんなにもキラキラした行為になると改めて感じた。
・それ故話が近況報告になり、誰も饗宴をやってくれなかった(お客さんみんなみんな元気そうで良かった)。
・rootsでやれたのも今回非常に良い方向に向かったと思う。出来れば次はrootsの皆さんもドリルに参加していただけたら更に新しい観点での分析をしてもらえそう。
・次回ももしコロナの影響を何かしら受けていたら、自分たちで開催の有無を決める尺度を持ってもいいのかなと思った(水戸芸の方に言われた)。
・受付の方が居てくれたのも個人的にとても良かった。安心感があった。
・みんなヒモちゃんのことが好き。


参加者/小松弦太


全体

・rootsメンバーとも普段の作品の話など、色々話せる機会が出来て嬉しかった。こういう相談や気軽な会話を「普段もして良いんだよな」と思った。ドリル感(対話の感触として)の日常化
・コロナ禍でも対策を明示して開催すれば、その中で来てくれる人が居ることの大事さを実感
・違う作家同士で変わった視点でのアイデアや刺激があり、同じ空間にあることでそれぞれの発表が波紋状に交わるみたいにしてフィードバックとなってく感覚もあった
・普段と素材やスタイルを変えての提示などはなかなか出来ない事でも、ドリルでは受入れて貰えるので話がしやすい。
・毎回来てくれる方もいれば、美術とかあまり関わりなく気になり初参加というお客さんも居て、嬉しくなる。


-EgologicalAdventure・立体拡張型ボードゲーム試案への-

・テーマをもったルールブックを沢山用意して本体と併せて展示したらどうか。
・基本セットのシンプルな構成から上級者向けへと段階的に用意するといいかも。
・ミニチュアの中を探検体験するよう、純粋さが表れる。
・子どもたちにも遊ばせたい、ビデオゲームには無い実体験がある。
・展示台と上(おもちゃ感)とルックス(神木か呪的な)近寄りがたさのアンバランスさがあるけどそれも面白い。
・3dスキャンして取込みデジタルでAI同士にプレイさせて無限拡張プレイしていく様を見てみたい。
・商品化(広めてプレイ可に)したい。


参加者/田田野


コロナ禍での今回展示は直接搬入が伴わない特殊なものとなった。
前回ドリル(東京)では、①搬入搬出は直接実施②在廊は不要の方法を採ったが、今回の水戸は①直接の搬入搬出は不可②在廊も不可であった為、「映像作品をYouTubeにアップし、リンクのQRコードを会場に設置」③資材の返送不要の方法を採った。
(機材を郵送して水戸メンバーに設置して貰う方法もあったが、今回はそれは採らなかった。特に大型機材を前提とした作品の場合、これは困難が伴うと思う)
この方法の場合、実際に映像作品を会場に設置した場合と比較し、鑑賞者からのレスポンスが小さい事は認識していたが、その通りとなったと感じている。

これに対してどの様に改善するか。
今回は映像作品について①会場では上映しない②YouTubeでの視聴可能の形態を採ったが、同じくコロナ禍で開催された横浜トリエンナーレでは①会場で上映②会期中YouTubeでも視聴可能の形態を採っていた。

現在ドリルは外部公開1日のみの開催の為、横浜トリエンナーレと同形態にした場合、どこまで拡散されるか比較が難しいところもあるが、現状でベストに近い方法ではないかと思う。
また、鑑賞者がTwitter等にアップした展示の感想を見ると、①文字だけのもの②作品の写真を添付したものに分けられた。このうち②については映像作品を写真撮影するものもあった。
この為次回同様の事態となったなら、「機材の返送を伴わない映像作品の出展方法」として①映像のダイジェスト写真をプリントし会場に設置②YouTubeリンクのQRコードを設置配布の方法を試したいと思う。
①の形態は「図録」の編集形態を参考にしたいと考えている。先に「図録」を見てのちに作品自体を鑑賞する事になるが、この様な順序はある意味一般的でもあり、手順としては成り立つものではと思う。
但しこれがベストの方法かは不明なので、他の方法の採用、手段のバランスを取り試行して行く必要があるだろう。
映像作品の場合は前述の手段だが、平面立体作品の場合ヒントになるのは「日曜美術館」的な紹介映像を作成し同様の方法で公開する方法があり得る事に気付いた。
ただし映像作成の手間と、そもそも作品の印象を正しく伝えられるかについては、制約が残ると思う。
この様な形での展示であった為、直接水戸に出向いて設置や会場整理、在廊対応が出来なかったが、水戸のメンバーにそちらを負担して頂く事で出展する事が出来ました。ありがとうございました。



ディレクター/カワムラ シュウイチ


ドリルは作品が完成する前、展覧会に出す前の制作の段階を大切にしていくプロジェクトだと再認識した。
作品が作れない、作るモチベーションが出ない。そういった状況にあったとしてもドリルに参加可能で、その作れない今の状況を伝えることが出来る。そうした問題はどの作家も持ち得る課題であるので作れないことについてディスカッションする意味はある。



プロジェクト「ドリル」

ドリルは、完成した作品を見せる場ではなく、「制作」「これから制作されるもの」を提示する成長にテーマを置いた見本市のような場です。また、ドリルは3ヶ月から4ヶ月ごとに定期開催され、それぞれの成長と変化を継続的に見ることが出来る実践的なイベントです。

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